後悔先に立たず
初めての就職は神明園の介護職員。介護福祉士の資格をもたず「高齢者が好き」程度の志望動機しかなった私は、回りからは「すぐにやめてしまうだろう」と思われていたらしい。なぜなら、介護の実務は多くの困難を投げかけてきたから。
特に、コミュニケーションが取れない方の対応は精神的にも大変だったが、いつの頃からだろう?そういった高齢者とのかかわりが単純に楽しくなった。それは予想外の反応が返ってきたり、試行錯誤して対応した結果を無邪気に喜んでくれたりするから。3年目の頃、初めて知的障害をもった女性の介護を担当した。
今までの経験ではうまくいかないことばかり。ある程度はできる気になっていた自分を試されているような対応の日々が続く。
「なんかうまくいかない….」そんな思いが払拭できずにいるうち、彼女は食事を摂る事が困難になっていった。上司に相談し対応を考えながらの夜勤明け、帰宅し寝ているときに電話がなった「あの人、亡くなったよ…」
この時思った。「明日やろう、今度やろう」は通用しない。
といっても全部ができるわけではないけど、あがいているうちに人生の半分がこの仕事とともにある時間になった今である。
そしてこれからも…